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バイクマフラー屋の製作日記

BMW K1 ワンオフマフラー製作その2

2010年09月24日
BMW K1 サイドビュー



今回製作する、BMW K1のサイレンサーは、いつも作りなれた形状のサイレンサーと違い、入り口、出口とも丸みを帯びた、リベットを使わないフル溶接のサイレンサーです。

車体への取り付けステーも、いわゆるバンド留めではなく、固定タイプなので、工夫が必要です。




オーナーのN氏が一番こだわっていた、出口形状を丸みの帯びた物にする、というのは、写真のようなフタを使うことでクリアしました。


BMW K1 純正マフラー出口の形状




入り口は、強度も必要な為、おなじ外径のパーツに組み合わせて、新たにウチで金型を起こして、油圧プレスで製作することにしました。


BMW K1 サイレンサー入り口パーツ





そしていつもの、伝家の宝刀「RSTCシステム」です。



BMW K1 RSTCシステム




シェルは、こういった1枚のステンレス板を巻いて製作します。
理屈は簡単ですが、寸法をキッチリ図って、正確にカットしないと巻いた時、フタとの間に段差が出来たり、最悪隙間が開いてしまって溶接する事が出来なくなります。

採寸は、同じ肉厚の短冊状の金属板を実際に巻いて、丁度いい寸法に切断して、それを再び平たく開いて、その長さを測定して調べます。



シェルの肉厚は、軽量化の為、0.6mmという薄い物を使用しています。
測定の結果、円周長は356mmとわかりました。


BMW K1 サイレンサーシェルの材料




板に開いている穴は、ステーを取り付ける為の穴です。

よく、ステーはシェルに溶接してくれ、と依頼される事がありますが、純正サイレンサーやアルミサイレンサーの様に、肉厚が分厚いシェルを使用している場合は、強度があるので問題ありませんが、今回の様に軽量化を意識した薄肉シェルの場合、溶接すると、溶接部位の周りが振動に耐え切れず、割れてしまいます。


ですので、写真のようなパーツを裏からあてがい、外からステーをボルトで取り付ける、という手法を採ります。


サイレンサーステーのベース




BMW K1 サイレンサーシェルとベース



ベースはブラインドリベットで外から固定しています。

中身とシェルを組み立てて溶接、鏡面仕上げを施して、とりあえず完成です。
入り口部のみ、仮止め溶接にしておいて、テスト後、修正出来るようにしておきます。

この後、音をオーナー様に聞いて頂いて、OKだったら本溶接します。


さあ次回は懸案の、純正エキパイの加工です。

乞うご期待^^



ワンオフマフラーのR-style。