先日から続く、シグナス125のサイレンサーインナー加工です。
こういったフル溶接で作られたサイレンサーの場合、切断して開けますが、最後に再溶接して閉じると、どうしても切り代分、長さが短くなります。
ですので、切開する位置を間違えると、取り付けのボルト穴の位置関係が変わってしまい、車体に取り付けることが出来なくなってしまいます。
ですので今回は、サイレンサーの先端部分のみ切開して、この部分だけの加工をする事にしました。
先端部の裏側はこんな感じでした。
そして、加工した形状の写真ですが・・・・
キャー、写真撮るの忘れてた!!!
という事で、略図を描きました。
こんな風に、パイプを延長して反転式、音波相殺型の消音システムを形成しました。
ただ、RSTCシステムを形成している部分のチャンバー室容積がかなり小さいので、消音能力の増大はあまり望めないと思います。
ですが、排気パルスは確実に増大するので、排圧は上がるはず。
中低速トルクは増大するはずです。
先端部裏側はこんな感じになりました。
この部分を極力太く、長くした方が重低音になるはずです。
ですが性能にも大きく影響するので、ここは元々のパイプ径のまま、長く延長しました。
この後、仮止め溶接でフタを閉じた状態で車体に取り付け、オーナーのG氏に排気音を聞いて頂きました。
結果、「音量は若干静かかなあ。音質は少し低音で太くなった」との感想を頂いたので、まずまずの出来と判断し、本溶接、再塗装を施して、車両をお返しする事にしました。
そして後日、G氏からお電話で、次のような感想を頂きました。
「加工前とは全然違いますね^^ トルクも太くなったし、高回転域でも伸びるようになりました。普通のリベット留めのサイレンサーだと、もっと変わるんですか?」
こういった構造のサイレンサーを加工するのは初めてでしたので、ホッとしました^^
完全溶接後の再加工が難しいので、ぶっつけ本番的な仕事になる為、車両をお預かりしないと出来ない加工です。
ですが、またひとつノウハウの蓄積が出来ました。
Gさま、ありがとうございました^^
サイレンサー加工のR-style。