モリヤス・アイアンワークス
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ガトリンク砲タイプサイレンサーの製作日記です。
砲身部分は仕上げを残して完成しましたが、これを排気圧力で回転させる為には、これまで製作したことのあるサイレンサーでは難しく、新たに専用のサイレンサーを設計・製作する必要がありました。
また、オーナーであるK氏のご要望として、
1.良質な音質である事。
2.出来れば車検に通る音量である事。
3.砲身部は高速で回転する事。
4.良好な走行性能である事。
という事です。
車検に通るかどうかはワンオフですし、初めて製作する形状ですので保障できない事はご了解頂きましたが、とにかく静かに作らないといけません。
かなり難しいご要望でした。
が、しかし!!
R-styleには、「RSTCシステム」という、実績のある構造があります。
これは、サイレンサー内部にチャンバー室を作り、この中でインナーパイプを交差させて配置する事により、消音性と中低速トルクを太らせるという画期的なシステムです。
今回この「ガトリンク砲タイプマフラー」のお仕事をお受けしても大丈夫と判断したのは、このシステムを応用する事で対応可能と考えたからです。
通常、この方法は排気出口は1ヶ所ですが、排気流速を上げる為に出口排気パイプを細くして、スムーズに砲身を回転させる為に、出口を3ヵ所、設けることにしました。
そして出来上がったサイレンサーがこれです。
分かりにくいかもしれませんが、パンチングパイプ内部がチャンバー室で、その中をサイレンサー入り口から出口付近までIN側のインナーパイプが通っています。
そこから出た排気がチャンバー室内で減圧、消音され、サイレンサー中部付近から3本のOUT側インナーパイプを通ってファンまで到達する仕組みです。
このパンチングパイプ外側にはグラスウールが充填され、消音と断熱を行ないます。
排気出口とファン部の拡大写真です。
実は当初、出口とファン部の間隔を、回転させる為の力を最大限出す為に、写真よりも近づけて製作する予定でした。
ですが事前の砲身のみの、エアーコンプレッサーを使った回転テストで、勢い良く回転はしたのですが、ファンの風切り音が出て気になったので、少し離す事にしました。
また、中心部のシャフトは、IN側インナーパイプの中を貫通して写真の様に支えられています。
軽量化の為、中空シャフトを使ったのがお判り頂けると思います。
次回はいよいよ、実際の車両を使った回転テストです。
乞うご期待!!
イタリアンスクーターワンオフマフラーのR-style。