モリヤス・アイアンワークス
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先日入庫した「ジレラ・フォコ500ie」に取り付けられているレアルパイソンマフラーのサイレンサー部分に、純正ヒートガードを取り付けます。
キレイな焼け色が隠れたり、R-styleのエンブレムが無くなってしまうのは、作った人間としては悲しい部分もありますが、やはりお客様第一!! 気に入って頂けるような仕事をしなくては。
取り付けるといっても、そのままポンッとボルトオンという訳にはいきません。
やはり、マフラー屋ならではの加工技術が必要です。
サイレンサーのシェルには、軽量化の為に、超薄肉0.6mm厚チタンを使っています。
ここに直接チタンボルトを溶接したりすると、強度が絶対に不足して、シェルが裂けてしまいます。
ですので、一度サイレンサーを開け、中に細工をする必要があります。
先ずは分解する前に、ヒートガードステーのボルト穴位置に合わせて、シェルに穴を開けます。
分解前でないと、ドリルの押す力がシェルのたわみで吸収されてしまい、穴を開ける事が出来ません。
サイレンサーバンドを避けて取り付けないといけないので、自ずと位置が決まります。
穴が開いたらサイレンサーを分解し、写真のようなパーツを製作します。
最初は写真の様にボルトではなく、ナットを内当て板に溶接して、外からボルト締めするつもりでしたが、ボルトを溶接しシェル内部から突き出させ、ステーを取り付ける前にナットで締め付ける事にしました。
その方が、何かの時にステーを外す様な事があった時、サイレンサー内に内当て板が落ち込んでしまう事がなくなるからです。
もちろん全てのパーツはステンレスを使用し、サビの発生を無くしました。
シェル内側からボルトを外に向けて穴から突き出します。
ナットはワッシャーを入れて、金属用接着剤を付けて締め付けます。
ネジロック剤でも良いのですが、二度と外す事もないと思い、より確実にする為、強力な接着剤を使用しました。
外から締め付けたナットが、スペーサーの役割も果たします。
新たにスペーサーを製作する必要も無くなり、一石二鳥です。
ナットとワッシャーの厚みが絶妙で、丁度良い隙間になりました。
ここまでくれば、後は組み立てるのみです。
エンブレムを取り外したので、そのリベット穴には新たにリベットを打って穴を塞ぎました。
ヒートガードを取り付けて完成です。
後日ヤングオートの社長に、「お客さん凄く喜んでたで」と聞きました。
お客さん第一!!
イタリアンスクーターのマフラー屋、R-style。