ジレラ・DNA180のワンオフマフラー製作です。
オーナー様のご要望で、R-styleでラインナップさせて頂いている、「デルビ・GP-1 250用レアルパイソンマフラー」と同じ様なスタイルが欲しい、とのこと。
幸いこの「DNA180」は、シートカウルとエンジン・スイングアームの間のスペースが大きいので、GP-1のマフラーの様な、かなり高いアップタイプのマフラーでも可能なので、思い切って上げる事にしました。
ワンオフマフラーの製作手順は、大雑把に言うと、
①サイレンサー製作
②サイレンサーの位置決め
③サイレンサーステー製作
④エキパイ製作
の手順で行ないます。
サイレンサーは今回、消音効果が高くトルクフルな走行性能で評判を頂いている、「RSTCシステム」を搭載した物を製作しました。
写真は別の時に撮影したものですが基本的には同じものです。
そしてサイレンサーの位置決め・ステー製作です。
この作業でマフラー全体のデザインがほぼ決まります。
この作業は簡単そうで、経験者でないとナカナカむずかしい!!
なぜかというと、スクータの場合はエンジンがサスペンションと一緒に上下するので、位置を間違えると、完成後走行すると、車体とサイレンサーが車体にヒット!!
なんてことになりかねません。
また、エキパイをどうレイアウトするかも考えて位置決めしないと、エキパイの曲げがタイトになったり、スペースが無くなって車体とヒット!!したりして出来損ないのマフラーになってしまいます。
今回はDNAの、シートカウルとエンジン・スイングアームの間のスペースの広さを生かして、かなり高い位置にレイアウトしました。
サイレンサーバンドが2本なのも理由があります。
DNAは、ジレラ・ランナーと同じ「リーダーエンジン」搭載車ですが、こういうスクーターのエンジンの場合、エンジンとマフラーが一体となってサスペンション上下時に一緒に動きます。
マフラーが路面からの衝撃を受けやすいので、しっかりと固定しないとエキパイのフランジ部分が割れます。2本にする事で破損を防いでいます。
また、ウチのマフラーの小さな特徴として、バンドの固定方式を写真の様に、ステーをバンドで挟み込む様にしています。
こうする事で、バンドの折損を防いでいます。
たったこれだけの事で剛性アップ及び、ステーの簡素化に寄与しています。
他社でこのやり方してるの、そういえば1社だけあったなあ。
それから、今はボルトはメッキの安物を使っていますが、完成時にはステンレスのキャップボルトに交換します。
ワンオフ中は付けたり外したりするので、ボルトの頭が痛みます。
少しでも美しい状態でオーナー様にお渡しする為です。
イタリアンスクーターのマフラーのR-style。