チタンという素材について。

2017年07月03日

チタンっていう素材について、皆さんどんな印象をお持ちでしょうか。

軽い！！

強度が強い！！

硬い！！

色がきれい！！

錆びない！！

チタン製マフラーはよく割れる！！

って感じでしょうか。

ウチもチタンは大好きで、ワンオフ作るときは、チタンをよく使います。

陽極酸化被膜はブルーの発色がきれいですし、軽いし比較的強度も強い。

使い方を間違えずにしっかりと作り込むと、いかんなくその性能を発揮してくれる、チタンって本当にすごい金属だと思います。

しかし！！

軽さだけでいうと、アルミの方がもっと軽いし、硬さなんて、刃物とかに使われる、焼きの入った鉄の方が硬いし、実は錆びない金属なんて、厳密にいうと、絶対に酸化しない金属なんて、この地球上に存在しない。

チタン製マフラーがよく壊れるなんてのは、一昔前のマフラー屋さんが、溶接技術が無くて、酸化チタンになってしまって溶接部位が割れた、過去の話がまだ今も印象に残ってしまっている悲しいお話。
(未だに溶接技術が未熟なマフラー屋さんは存在しますが・・・)

ウチはオートバイの部品作ってますが、アルミで出来た純正部品と、ウチが作ったチタンの部品と、重さ測って比べて、「なんだチタンの方が重いじゃん、じゃあ別にチタンじゃなくてもよくね？」なんて言われると、ああ、もっとチタンの性質について伝える努力をしないといかんなあって思ってしまいます。

ウチには、チタンを、軽さを売りに使っている訳ではない商品が存在します。

僕は常々、チタンのマフラー、特にエキパイを扱っていて、気づいた事がありました。

それは、「柔軟性」です。

まだ、チタンなんて見た事も触った事も無かった頃、チタンは夢の超合金、めっちゃくちゃ硬くて、斬鉄剣でも切れない、核爆発でも耐えられるみたいに思ってました。当たり前ですが、純チタンだと超合金でも何でもないんですが。

別に、斬鉄剣じゃなくても、フツーにアルミや鉄を削るドリルやカッターで切れます。
注：工作機械に使う刃物ってことですよ^^

じゃあその柔軟性ってどういうことかというと。

分かりやすく言えば、バネみたいな金属ってことです。
力を加えれば、比較的弱い力で曲がるけれど、放すと元の形にびよーんって戻る。

復元力があるんですね。
実際にチタンは、バネにも使われてるし、熱を加えると元の形に戻る、形状記憶合金は、チタンとニッケルの合金です。(某工業系大学の副学長に教えてもらったから、間違いない！！)

探してたら、すごく分かりやすい動画が出てきましたので、紹介します^^
特に最後の方の、それぞれの素材の板の上に、鉄球を落として変形させるショーは見物ですね。

こちらは形状記憶合金の動画。もとの形状に戻ろうとするチタンの特性を、非常にわかりやすく表している動画だと思います。

ココでは全て、純チタン、純鉄、純アルミ等、全て合金ではないモノでお話しています。

そして、この、しなやかで復元力の高いチタン。
その特性をうまく利用できないか、と思って開発したのが、弊社製のトルクロッドです。

サスペンションの部品で、リアのリンク部を形成する部品です。

純正はアルミ合金で出来ています。

この部位をしなやかで復元力の高いチタンにすることで、リアタイヤの路面追従性が劇的に向上します。

シャフトドライブであるBMWのR1200GS、R1200RT、R1200R、R1200RSに採用されています。

路面追従性が良くなると、良い事がいっぱい起きます。

先ずは、乗り心地が良くなります。
通常、大きな路面からのショックは、ショックアブソーバーが吸収してくれます。
しかし、微細なショックは吸収してくれません。
この微細なショックを、このチタンが吸収してくれます。

次に、変速ショックを吸収してくれます。
シャフトドライブであるこのＲ1200シリーズは、シフトダウン時に決して微細では無いショックを発生します。そしてそのほとんどは、ミッション内にあるバックトルクリミッター等で吸収するようになっていますが、ドライブシャフトが丸パイプな為に、吸収しきれないネジレが体に感じられ、ライダーの疲れの原因になっています。これをチタンが吸収します。

次に、リアブレーキがよく効きます。
路面からタイヤが離れることが少なくなる為に、リヤブレーキを掛けている最中に、タイヤが浮いてロックする事が少なくなります。その為に制動距離が短くなります。

弊社では、そのチタントルクロッドを、車高を下げるローダウンと、リアの車高を上げてハンドリングを良くするハイアップの２種類、ラインナップしていますが、モータージャーナリストの山田純氏や、同じくモータージャーナリストの和歌山利宏氏お二方とも仰ったのは、「ノーマル車高もラインナップした方がいい！！」ですって^^

http://www.virginbmw.com/feat/s-rstyle-02/

http://www.virginbmw.com/feat/rstyler1200rs/

ご両名とも、チタントルクロッドの素性の良さを感じられたのでしょう。
だからローダウンやハイアップなど、必要ないと感じられる方にも、この性能を感じて欲しいと考えられたのではないでしょうか。

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