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バイクマフラー屋の製作日記

逆バージョン・サイレンサーアダプター製作方法

2010年01月06日

ウチでは、こんな変わったパーツもたまに製作します。

その名も「逆バージョン・サイレンサーアダプター」。

差込部の細いエキパイに、同じく差込部の太いサイレンサーを差し込む為に使用するアダプターはよく有りますが、こんな物作るトコって、ウチぐらいじゃないですか?

逆バージョンアダプター


上記写真の、太い方の中にエキパイ出口が刺さり、細い方の外側に、サイレンサー入り口が嵌ります。

「あのサイレンサー、カッコええねんけど、俺のバイクのエキパイの方が太いから浸けられへんわ・・・」

と諦めている人は、R-styleで、もっとカッコいいサイレンサーをワンオフで作るのが一番(笑)!!ですが、こんなアダプターを使う手も「あり」です。

サイズは一般的には、Ф60.5、Ф50.8、Ф50.0、Ф48.6、Ф45.0、Ф42.7、Ф38.1、Ф38.0などがあります。(サイレンサー側・エキパイ側共)

ですが今回製作した物は上記には無い寸法で、サイレンサー側がФ55.0でした。

逆バージョンアダプターはその形状上、アルミ削り出しで製作すると非常にコストが掛かってしまい、重量もかなり増えてしまいますので、ステンレスのパイプを使って製作するのですが、Ф55.0というステンレスのパイプは、材料としては手に入りません(チタンならあるのですが)ので、ステン板を巻いてパイプを作る事になります。

しかも、通販なので現物合わせ出来ない!!

ということで、今回は少し手間がかかる製法になりました。

今回はその製作方法を紹介します。

■逆バージョンアダプター製作方法
逆バージョンアダプター・円周測定1
1.旋盤を使って、アルミパイプ内径をФ55.0に削り広げます。


逆バージョンアダプター・円周測定2
2.実際に製作するパイプの肉厚と同じ厚みの短冊状のアルミ板を、最初は55.0×3.14=172.7mmに切って巻いて中に挿入します。

そこから徐々に現物合わせで写真の様にピッタリになる様に、切っては嵌め、合わなければまた切って、を繰り返します。

逆バージョンアダプター・円周測定3
3.ピッタリと合ったところで、そのアルミ板を真っ直ぐに広げ、長さを測定します。

このデータはちゃんとノートに記入しておき、次、この寸法で注文があったときはすぐに対応出来るようにしておきます。


逆バージョンアダプター・ステンレス板切断
4.実際に巻くステンレスの板を、アルミ板と同じ長さに切断します。

尚、白く見えるのは、キズ予防の為、保護シートが貼ってある為です。


逆バージョンアダプター・パイプ巻き
5.切ったステンレス板をロールベンダーで巻き、TIG溶接機で溶接します。

エキパイ出口の外側に嵌る方も巻いて作りますが、これはФ60.5と、よくあるサイズですので、ウチには既に切断されたステンレス材が在庫されています。

真ん中のテーパー管は、既成のステンレス管を、油圧プレスで広げて製作します。

今回は、スプリング用フックが欲しいとの事でしたので、サービスでお付けしました。


逆バージョンアダプター


6.最後に、全てを溶接、仕上げの研磨を施して完成です。

今回は通販でしたので、装着時の写真はありませんが、エキパイ側とサイレンサー側のパイプ径の差が小さいので、違和感は無いと思います。

この差が大きいのであれば、サイレンサー入り口を加工するなどの方法があります。

小さい場合はこのアダプターを買って、DIYで取り付けされるのも、お手軽な方法で良いのではないでしょうか?


ワンオフパーツもR-styleで。