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バイクのワンオフマフラーの制作も承っています!

RSTCシステム採用のインナー加工で音質改善&パワーアップ

モリヤス・アイアンワークス
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FAX 072-220-9226

バイクマフラー屋の製作日記

抜け過ぎ・爆音サイレンサー撲滅委員会 ジレラ・ランナーST200編

2010年01月28日

「ジレラ・ランナーST200」の「MAC・MRD製サイレンサー」のインナー加工のご依頼を受け、納品後ご感想のメールを頂きました。

以下、最初にメールを頂いた内容をそのまま引用させて頂いております。
お名前のみ、イニシャルに変えさせて頂いております。

=====
はじめまして、東京都在住のHと申します。
御社HPを拝見しまして、メールいたします。

実は先日、当方のジレラランナーST200に、MAC-MRD社製のEV-003というマフラーを装着したところ、思いのほか音量が大きく少々困っております。

また、ノーマルに比べ、若干の低速トルクダウンも感じます。(気のせいかも?)
ただ、アフターファイヤー等はまったくありません。

ただ、マフラー交換のメリットの部分も大きく軽量な事でリヤサスの動きが良くなったり、取り回しも良くなりました。
見た目的にもノーマルより数段良いです。

そこで、このMACサイレンサーを御社にて音量を落とす加工をして頂きたく考えています。

まず、この製品が加工可能か否かと可能な場合の作業期間および料金を
教えていただきたく、よろしくお願いします。
=====

上記内容を解決すべく、弊社にて加工を施す事となりました。

20100111_01
写真の様に、ほぼ新品の状態でした。装着してすぐに不満を感じられたんですね。


加工前の内部写真です。

20100111_02


ストレート構造のインナーパンチングパイプ内部に、2ヵ所のパンチングプレートを使ったセパレーター(インナーバッフル)が装着されていて、背圧が掛かるようにしてありました。


弊社で行なう加工は、いつもどおり消音性能と中低速トルクの増大に定評のある、「RSTCシステム」(r-style・tornado・chamber・system)を採用して行ないます。

加工後の写真です。

20100111_03


中身は名前の通り、チャンバー室になります。


20100111_04


これまたいつもどおり、パイプ径と長さは企業秘密です。
オーナー様にのみ詳しくお伝えしております。


今回は通販で、サイレンサーのみ送って頂いてのの加工ですので、当方で走行テストが出来ません。

こういったケースの場合は、加工品到着後一週間以内であれば性能にご不満の場合、一度きりではありますが無料で再加工させて頂き、加工精度を向上させております。


オーナー様のH氏から、ご感想のメールが画像と一緒に届きました。

=====

モリヤス・アイアンワークス 森下様

お世話になります、ST200のMACサイレンサー
インナー加工をお願いしました東京都のHです。

昨日、仕上げていただいたサイレンサーをST200に取り付け本日100kmほど走ってきましたので感想をお送りします。
以下、あくまで私的感想ですのであしからず。
元のマフラーを冒涜するものではない事をご理解下さい。

まず、最初にRSTCシステムの構造を知った時、正直「大丈夫かな?」と思いました。
構造をブログで拝見したところ、入り側と出側で切り離されたインナーパイプ同士が、パイプ側面でジョイントされている構造で、これでは正直抜けが悪くなるのでは?という不安でいっぱいでした。。。
ただ、現状のマフラーでは音が大きすぎる事と、全域に渡ってトルク感がない症状を、RSTCシステムならば殆ど解決してしまう効果を謳われていたので、半信半疑ながらも作業をお願いしました。

装着後に最初にエンジン始動した時から音の違いに気がつきました。
明らかに元のサイレンサーよりも音量が小さくなっていますが、ノーマルの頼りない排気音とは違い、心地よい重低音の排気音で、これなら住宅街でのエンジン始動も気兼ねなく出来そうです。

次に加速ですが、以前のサイレンサーでもっとも気に入らなかったのがこの加速時でした。。。
なんと言うか、バラバラと下品な音質の割りに車速が伸びないという最悪の状態でした。。。
RSTC加工をして頂き、この加速時のフィーリングはまったく別物に生まれ変わりました!
トルク感はノーマルマフラー同等かそれ以上です。
アクセルを大きく開ける加速では、それなりに音量も上がりますが今までの下品なバラバラ音ではなく、連続音と言いますか、繋がった良い音がします。
あと、これもRSTC加工後に感じたのですが、エンブレの効き方がとても自然になりました。
今まではエンブレがイメージ以上に効き過ぎ、ギクシャクする感じでした。
この症状は、ノーマルマフラーでも、RSTC加工前のマフラーでもあった現象でしたが、今回RSTC加工したサイレンサーではこれが皆無となり、大変に快適です。
そればかりか、ギクシャクしない事で再加速も実にスムースなのです。
結果、アクセルと車速がしっかりリンクしたような感覚になり、乗り易くなりました。
あと、このエンブレ時の排気音がとても心地よいです♪

次は当初から最も不安に感じていた高速域です。
低中速域でこれだけトルクが出ている特性なので、恐らくは高速ではノーマルマフラーのようなフン詰まり傾向になるのかな?と思っていましたがこれは全く要らぬ心配でした。
合流車線での加速力も十分で、あっという間に法定速度まで加速します。
しかも、その巡航状態では明らかにノーマル時よりもエンジンに余裕が感じられます。
さらにアクセルを捻ると、ノーマルとは明らかに違うパワー感を伴った加速を見せるのです!
ノーマルおよびRSTC加工前のマフラーでは出なかった速度まで軽々と到達してしまい、慌ててアクセルを戻した次第です。(汗)

最後に総評ですが、結果的にRSTC加工をお願いして大正解でした!
ただ大きな音量を抑えるだけではなく、しっかりとパワー&トルクアップを果たしていて、ホントに素晴らしいと思います。
それも、どこかの領域にだけ焦点を絞ったセッティングではなく、ほぼ全域においてその結果が出ていることが凄いです。
ノーマルマフラー以上の全域での性能を、ノーマルマフラーより遥かに軽量なリプレイスマフラーで得られるなんて最高ですね♪

実は私は、かれこれ新車から10年間乗っている空冷ドゥカティを所有していますが、このサイレンサー(レース管・カーボンシェル)も経年劣化が激しく、近くリプレイスしたいと思っています。
しかし、当方のモデルはとうに生産終了になっており、市場にはリプレイス品は殆ど姿を消してしまっています。
また、レース管ゆえに大きな音を、出口に付けたバッフルで無理やり絞っている不自然な状況もイヤで仕方ないのです。。。
ノーマルサイレンサーでは重過ぎて、コーナリングに変化が出るほどなので出来れば今のリプレイスサイレンサーのままで行きたいのです。
そこで、今回とても好感だったRSTCシステムに御社で加工していただき、シェルもチタンにリプレイスを検討しています。
その節は、また相談に乗っていただければと思います。

以上、つたないレポートで申し訳ありません。
それでは。

H氏のランナー


Hさん、すごく詳しくご感想を書いて頂き、本当にありがとうございました。
また、非常に喜んで頂けた様で、この仕事やってて良かったなあと思います。


音の大きなマフラー、トルクの細いマフラーのインナー加工のことならR-styleまで。