モリヤス・アイアンワークス
580-0033
大阪府松原市天美南4-5-16
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FAX 072-220-9226
マーニ MH-1のお客様の、フロントトップブリッジ加工を行ないました。
依頼内容は、スピードメーター・タコメーターを、ホンダ・CB900Fの物と交換したいとの事。
エンジンや電気系、ブレーキなどが共通の為、ハーネス類やワイヤー類は、そのまま付くのですが、トップブリッジに付いているステーのみ全く違う位置なので、それを何とかして下さいとの事でした。
→ステーとボルトの位置が全く違うのがわかります。
当然ですよね、車種が違うのですから。
→ニコチャン大王の鼻の様に(笑)、上にピョコッと2本、突き出た突起が元々のステーです。
これは、今度取り付けるメーターと干渉しますので、切断します。
→ステーを溶接する部位(トップブリッジ裏側)を平坦にするため、フライス盤にて加工します。
使用する刃は、エンドミルと呼ばれる物です。
→トップブリッジに溶接するステーを同じくフライス盤にて削り出します。
アフターパーツとして販売されているトップブリッジやバックステップなどは通常、「マシニングセンタ」と呼ばれる機械で削り出されますが、今回は形状が複雑ではない為、フライスにて製作しました。
品質は変わりませんが、その方がコストや加工時間が掛からず、お財布に優しいからです。
→ステーが完成しました。
今回は、材料をアルミ合金の「A5052」(通称52S)という物を選択しました。
充分な強度や耐腐食性を持ち、かつ加工しやすい特性だからです。
→溶接・塗装前に元の痛んだ塗装を剥離・脱脂します。
そんなに強い塗装では無かったので、トルエンを使用しました。
トルエンでダメな場合は「キシレン」という有機溶剤を使用します。
→TIG溶接(交流)にて、ステーを溶接します。
純正のトップブリッジが、アルミダイキャストの為、内部に見えない気泡を含んでいます。
その為、溶接部位のアルミが酸化して強度が下がる為、その部位を大きめに削り取っておき、そこに純度の高いアルミを溶かして流し込む、という溶接方法を行ないます。
→上面から見た写真です。
→前面から見た写真です。
溶接部位が見えます。
→塗装してはいけない部位に、マスキングテープを貼ります。
焼付塗装を行ないますので、耐熱のマスキングテープを使用します。
写真では判りにくいですね。
↑塗装業者さんに、レベルの高い焼付塗装を施工して頂きました。
加工していない他のパーツも、色を合わせる為塗装して頂きました。
メラミン系塗料ですので、多少の衝撃では剥れる事は有りません。トルエンでも剥げません。
→上手く組み付け出来ました。
→お客様が持ち込まれたメーターアッセンブリーは中古品で、結構キズか多かったのですが、せっかくお金をかけて取り付けするのですから、サービスできれいに研磨してキズ・凹みを取っておきました。
何の違和感も無く装着できました。
実は、アルミ削り出しワンオフも得意なR-styleでした。