モリヤス・アイアンワークス
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先日製作した「ペラスコ管」を、CB750FCの車体に取り付けます。
今回は、元々付いていたストライカー管のエキパイを加工しての取り付けとなります。
また悩ましいところは、ステーの取り付け位置です。
ストライカー管は、よくあるリアショック上部のマウントボルトを使う方法で取り付けられていますが、マフラーをショート化するので位置が合わせ辛いのと、やはりスペンサーレプリカらしいステーを製作しないといけないので、変更をしようと思います。
■先ずは、エキパイの加工から。
この車両は、OVER社製のバックステップが取り付けられていますが、オーナー様の指示で、ステップ下部よりサイレンサーが始まるようにしたいとの事。
あいにくこの位置は、ベンダーによる曲げ加工が施されている場所なので、ここを切断してそのままサイレンサーを差し込む事は出来ません。
というのも、パイプは曲げると、その曲がった部分とその前後部分は直管部分よりも直径が細くなります。ですのでその位置にサイレンサーを差し込むと、当然多量の排気漏れを起こしてしまいます。
ですので、切断した部分に新しく、角度切りしたパイプを溶接して、そこにサイレンサーを差し込む、という方法をとることにしました。
切断したパイプ内の、溶接予定部位のカーボンを取り除いておきます。
それを怠ると、溶接の裏波がカーボンと接触して、溶接中に噴いて穴が開いてしまうからです。
角度切りしたパイプをサイレンサー差込部に差し込んでおいて、溶接の仮止めをします。
うーん、この写真では出っ張りすぎかな?
もう少し深めの角度切りにしなおします。
これくらいで丁度かな~?
・・・てな感じで角度を合わせていきます。
角度が決まったらセンターパイプを外して本溶接します。
■次に、ステーの製作です。
やはり、スペンサータイプということで、一般的な、リアショック上部から取る方式は避けたいですよね。
スペンサータイプでは一番良いのは、サイドカウル付近から細めの、曲げ無しの棒状ステーで固定したいところです。
ただ、CBは丁度良い所にボルトオン出来る穴が無い!!
よく行なわれるサブフレームへの溶接も、車体本体への加工は避けたいというオーナーの要望で不可能です。
今回のカスタムではここが一番の悩みどころでした。
・・・が!!!!
名案が浮かびました!!
写真の様に、サブフレーム下部にある穴と、元々取り付けられていたOVER製バックステップのリアブレーキマスターシリンダー取り付け穴をつないで、新たにステーの取り付け穴を作ってしまいました!!
こういったパーツを作ることによってそれは実現しました。
サイドカバーを取り付けるとこうなります。
こうする事によって、理想的な角度でサイレンサーへステーを延ばす事が出来、強度抜群!!
しかも、マスターシリンダーが強力に固定される為、バックステップ装着にありがちな、ブレーキング時のマスターシリンダーステーの「しなり」が無くなり、リアブレーキのタッチが格段に向上!!
4輪のカスタムパーツで、「マスターシリンダーストッパー」というのがありますが、それと同じ効果を2輪でも実現しました。
後のオーナー様の談話ですが、「今回のカスタムの一番の収穫はコレかも(笑)」と仰ってました。
後はサイレンサー側に取り付け穴を溶接し、先に作ったサブフレーム側取り付け穴と連結するのみです。
再度サイレンサーを仮付けし、あらかじめ旋盤で削り出しておいたステンレス製カラーを各取り付け部に装着。
ステンレス棒を丁度良い長さに切断します。
車体に取り付けた状態で位置決めし、仮止め溶接。
再度外して棒付け本溶接・研磨を施します。
サイレンサー側が、二枚の板でカラーを挟み込むようになっているのは、こうする事で構造的にねじれ方向の強度を増し、よくある「溶接部位の割れ」を防ぐ為です。
再度組み立てて完成です。
丁度良い角度でステーが取り付けられているのがお判り頂けると思います。
ステーの取り付け角度で悩んでおられるペラスコ管装着者、多いんじゃないでしょうか?
最後になりましたがこのサイレンサー、出口太さはФ76.3(3インチ)ですが、インナーパイプからのフィニッシュはちゃんとテーパーになっています。
旧車カスタムもR-styleで。