モリヤス・アイアンワークス
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日頃良くして頂いている、「ナベさんのイタスク専門店 モルトベーネ」さんの紹介で、「VESPA GTS300ie」のマフラーをワンオフ製作しました。
このべスパは、デルビGP1・250やマラグーティ・ファントムマックス、ピアジオMP3・250などに搭載されているエンジンと同系の4ストローク・クォーサーエンジンが搭載されていますが、デザイン上、他のモデルよりもマフラーに許されたスペースがかなり少なく、サスペンションがストロークした時に、マフラーとボディが干渉しないようにするのにひと苦労しそうです。
今回の依頼内容です。
1.ワンオフマフラー製作・・・エキパイ、サイレンサーともフルチタンで、オーバルのテーパーエンドにする事。車検対応で触媒も取り付ける。
2.リアスイングアームのブラック塗装・・・焼付け塗装の半ツヤで。
3.ナビゲーションシステムのステー製作・・・既製品でもあるそうですが、少し上向きなので光が反射して画面が見づらいので、工夫して欲しい。
先ずは、リアスイングアームのブラック塗装から行ないました。
このパーツは、同系エンジン搭載車でマフラーを変えると、それまで見えなかった武骨な部分が丸見えになるので、塗装やメッキをされる方が多いパーツです。
アルミの鋳造品ですが、元々が見せることを意識していないパーツですので、鋳肌がそのままでブツブツのボコボコです。
このまま塗ってもそれなりにきれいにはなりますが、プロならプロの仕事をしなくてはいけませんので下地の研磨を施します。
取り外しは、焼付塗装時に熱でベアリングのシールが劣化するのを防ぐ為、ベアリングも取り外しますが、圧入パーツの為、油圧プレスにて慎重に取り外します。
取り付け時も同じくですが、失敗すると、回転時に引っ掛かりが出来てリアホイール回転時に異音が発生したり、焼け付き、破損の原因になります。
研磨は塗装の乗りをよくする為、240番程度で止めておきます。
この後マスキングをし、「プライマー」という、塗料と素材の接着剤の役割をする薬剤を塗布します。
塗料は、主成分が「メラミン」という物質で出来た、焼付塗装用の塗料を使います。
よく、日曜大工センターやオートバイパーツ専門店で売っているようなスプレー缶の物は「ラッカー」系で、焼き付けても全く意味がありません。
吹付け塗装後、焼付け炉に入れて、200度の温度でおよそ20分、焼き付けます。
その後、自然冷却して完了です。
塗料はこの冷却中に硬化するので、じっくり冷却する事が重要です。
焼付け塗装はラッカー塗装より皮膜が厚くて硬く、密着も良いので、強い塗装皮膜が得られます。
こういった、飛び石等で剥がれ易い部位には、非常に良い塗装方法と言えます。
ワンオフマフラーのR-style。