モリヤス・アイアンワークス
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べスパGTS300ieは、そのスタイルの特徴上、サスペンション上下時にサイレンサーがボディと干渉しないよう、細心の注意を払って製作しないといけません。
前回、サイレンサー製作をご紹介しましたが、その寸法もその事を考慮して、縦130mm、横100mmのオーバルで、長さはシェル部が330mmというコンパクトなサイレンサーになりました。(コンパクトさが売りの弊社汎用サイレンサーでも、長さ350mmです!!)
そんなコンパクトなサイレンサーでも、出来るだけ車体内側に追い込まないと、ボディと干渉してしまいます。
ですので今回は、スイングアームとサイレンサーの間に隙間が無く、ステーの製作にもかなりの制約があります。
このべスパをはじめスクーターの殆どは、サスペンションストローク時にエンジンとマフラーが一緒に動きますので、サイレンサーをしっかりと固定しないと、エキパイやサイレンサー入り口が割れたりします。
ですので、R-styleでラインナップする、ジレラFUOCO500ieや、デルビGP-1・250などのマフラーは、サイレンサーバンドステーを2本使用し、強度を上げています。
ですが、このべスパGTS300ieは、スペース的にその方法を採るのが難しい為、バンドステーを1本とし、それを上下2箇所、ボルトで固定するという方法をとる事にしました。
先ずは、製作したバンドをサイレンサーに、カラーをスイングアームに取り付けて、大体の位置決めをします。この時、バンドの位置はリアショックと干渉しない位置を選びます。
上側ステーを製作します。この時、エキパイの取り回しを頭にイメージしておかないと、エキパイ製作時に苦労する事になります。
サイレンサー後部とボディのクリアランスやファッション性を考えて、下側ステーの位置を決めます。
上側ステーの位置が決まっているので、そこを支点に下側ステーの長さで調整する、という方法を採りました。
出来上がったステーです。
上下の二分割構造となりました。
高強度ステンレスSUS304製で、表面はポリッシュ仕上げです。
実はこれも、バーナーで炙った「手曲げ」です^^
今回、ボディとサイレンサーが干渉しないことをどうやって確認しようか悩んでいたのですが、実際に走行して干渉すると、ボディにもサイレンサーにもダメージが残るので、それは出来ません。また、リアショックを2本とも外してしまうと、実際の可動範囲以上に動いてしまいます。
かといって人力では体重65Kgの私では、そのままではフルボトムさせる事も出来ません。
そこで、リアショックを1本だけ外して、体重をかけてフルボトムさせることにしました。なかなか頭いいでしょ^^
まず1回目ですが、写真の様に干渉しました。
まあ、想定の範囲内ですので、いちどバンドを緩めてサイレンサーを30mmほど前にずらして再度締め付けました。
結果、いい感じでクリアランスを取る事に成功しました。
マフラー製作って、手曲げ技術やサイレンサーの形状などに目が行きがちですが、結構ステーって目立たないながらも、強度なんかも考えないといけないので、結構大変なんです。
ともあれ、難関を乗り切ったので、次回はサクサクッとエキパイを曲げちゃいます。
フルチタンで超軽量です。乞うご期待!!
ワンオフマフラーのR-style。